前編ではROBODRILLで部品をつくるところまでお話しました(前回の記事はこちら)。後編では、電装系の製作から最終組み立てまでお話します!
4. 電子回路の制作
展示品に組み込む電気回路を制作します。
一般的に電子回路を内製する場合、以下の4つの方法が考えられます。
- ブレッドボード上でジャンパーワイヤーを用いた実装
- ユニバーサル基板上でスズメッキ線を用いた実装
- 生基板を用意し、配線部分以外を液剤で溶かし出すエッチング
- 生基板を用意し、配線部分以外を切削する基板切削
ロビットでは、4 の方法で基板をつくることがほとんどです。
1 と 2 は配線を後から追いづらくなりますし、人出がかかるので少量量産しようと思った時に大変です。3 だと化学薬品の処理に困りますし、貫通穴も開けられないという欠点があります。
4の方法であれば視認性もいいですし、なにより卓上NCがほぼ自動で作ってくれるので、量産に手間がかかりません。また回路図がデータとして残るので、会社の資産も蓄積していきます。
基板切削の様子
回路CADで設計した基板データを元に、卓上NCで生基板を加工します。
生基板とはベーク材という絶縁物質の上に銅板を貼り付けたものです。
配線でない部分のみ表面の銅を削っていくことで、配線部分にだけ銅が残り、電気の通り道が出来上がります。
後は電子部品をリフロー装置や手ハンダで実装して完成です。
この工程は普段製品を作る上でやっていることと全く一緒なのでスムーズでしたが、
今回は比較的大きな電流が流れる回路なので放熱などの安全対策には気を使いました。
5. 組み立て
これにて、電装部品含めて全部品が揃いました。
早速組み立てていきます。
背板にアキバのピカリ館で買ってきたLEDテープを貼り付けます。
こういった光り物が欲しい時、ピカリ館にいけばだいたい揃います。
LEDテープの間隔ですが、適当ではありません。
この上に光拡散シートを被せるのですが、
そのシートまでの距離と同等以下の間隔で敷き詰めるようにしてあります。
光った際にLEDテープの間隔が目立たないようになるための工夫です。
光る様子は後ほど。
こちら、全体の骨組みです。
この溝に、スマホやタブレット、回路基板やスピーカーなどの部品を敷き詰めていきます。
部品を敷き詰めた後、樹脂板とアクリルを上から被せます。
表面をアクリルにすると見た目もきれいになりますし、
中に仕込むタブレットも勝手にタッチできないようになります。
ただこのままだと無機質なので、
アクリルと樹脂板の間に、ロゴを印刷した台紙をプロッターでカットしてはさみます。
また背面にもLEDテープを貼った板を組み付け、
壁紙と光拡散シートを表面に貼り付けます。
最終形が見えてきました!
点灯してみると・・・
無事、きれいに光ります!
光が拡散されて、裏のLEDテープも全く気になりません。
ここまで見ればもうお分かりかもしれませんが、
ここにカーテンとmornin'をつけることで、
カーテンが開いて太陽の光が差し込む演出が可能になります!
あとはカーテンをつければ終わり・・・!
ですが、そこからが一番の難関でした。
市販のカーテンじゃ、合わない
市販のものをカットしてつけると、違和感がありすぎてカーテンだと認識できない上に、
カーテンのフックの間が広すぎて、mornin'が動いてもカーテンが動かないという状態に。
そこでいつも通り、1から作ってしまおうとも考えたのですが、すぐに断念。
ロビットは裁縫ができないからです
外注しか無いのか・・・
とはいえ時間も無い・・・
途方に暮れていたところで、機構設計の平野からまさかの提案が。
平野「俺、カーチャンにお願いしてみるよ!」
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即日完成!!
平野お母様、お忙しい中迅速なご対応誠にありがとうございました!
母は偉大ですね・・・!
おかげさまでついに、展示物が完成です!
上から見るとこんな感じです。
左側にはmornin’のPVが流れており、右側のスマホ画面からはカーテンの開閉が行えます。
実際に二子玉川 蔦屋家電さんに展示されるとこんな感じになりました。
カーテンが開いて太陽光がさしこむ気持ち良さを演出しています。
お客さんからの評判もなかなかいいようで、うまくmornin’の魅力を伝えられているようです。
6. まとめ
今回も無事、展示物を希望納期に間に合わせることができました。
ただその為に、平野母を巻き込む結果に。
これはやりすぎですね。
平野母が最近欲しがっているというミニユンボをいつかプレゼントしたいと思います。
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